10/22関西めしけっとin東京レポート1 ジャンルとしての成熟とクオリティ

台風が日本列島に急接近する中で行われた、関西めしけっとin東京。終了後に遠征組のサークルさんがなかなか帰れなかったり大変だったようなのだが、会期中は雨が強い程度で荒天とならなかったのは幸いであった。それでも来場者はさすがに台風が近づいているとあって少なかったが、なんだかんだで一般来場者が100人以上いるのはジャンルとして非常に強くなっていることの現れであろう。

とにかく、欲しくなる本が多かった。今回はじめて見るサークルさんもいたし、関東初見参の遠征サークルさんなど、魅力的な本が一同に介していたのは圧巻だった。

最近思うのは、「飲食同人誌」というジャンルのクオリティが一気に上がり、参加サークルも増えてきたことである。一昔前から比べると本当に多くの飲食同人誌を見かけるようになったし、この手のジャンルが非常に強いコミックZINでは本当に多くの本を店頭で見ることができる。

さて、先程書いた「クオリティ」だが、これは例えばデザインが優れている、写真が綺麗など、「本としてみたときのクオリティ」だけの話ではない。それらよりもむしろ大きいのは「この本を読んでみたい!」と思わせるだけの内容、着眼点、そしてなにより、その本に込められている「思い」「熱量」が重要なのだろうと考えている。

で、そうなるとちょっと最近思っていることが・・→

飲食本は作るのに時間も手間もかかる。おそらく多くの人が思っているよりも時間がかかっているのだが、その理由は、レポート系の場合は調査(実食)に、レシピ系の場合は制作に時間がかかるためだ。私は食レポ本を作っているが、取材、分析、レポートとなかなか大変である。

その手間を乗り越えるには、やはり「この本を出したい!」「いろいろな人に知ってもらいたい!」という思いがないといけないし、その熱量はほんの出来に比例すると私は思う。実際、当サークルでも売上狙いで作った本は散々なことになったりもしている。

そして、ここ1年の間に新規で私が出会って実際に購入、交換した飲食サークルさんの本は、どれも出来が素晴らしい。クオリティがとても高いのだ。これまで活動していたサークルに加えて新しいサークルも新たな息吹を吹き込んでくれる。それゆえ、飲食ジャンルは非常に強いのだろうと思うのだ。支えているのは、もちろん個々のサークルの熱意なのである。

余談だが、ある熱意を持った新規サークルのお手伝いをすることになった。最初はコピー本からになると思うが、非常に面白い本ができそうなので楽しみにしていたいと思っている。