同人活動トラブル事件簿第2回 在庫過剰

作品をいくつ刷るか、ということを考える上で、どうしても気になってしまうのは「在庫」の存在。最初のコミケでは昼過ぎに売り切れになってしまい、怖いもの知らずだった頃がありますので・・

最初の同人誌が完売して以降、作品はオフセットで作ることになった。100部もの数をコピーで作成するのは不可能だと判断したからだ。2013年の冬、最初の「AV業界の基礎知識」はオフセット200部で作成した。

いきなり2回目の参加で強気だとは思ったのだが、書店委託も決まっていたし、その後のイベントで売り続けようと思ったこと、そしてなにより、100部と200部をする時の価格差がポイントになった。

同人誌は多く刷れば刷るほど1冊あたりの単価が下がる。100部と200部の比較だとそれは顕著に現れる。それゆえに、イベント1回で売り切れないことをわかりつつも200部を印刷した。

結果、その200部は次の夏コミで完売させることが出来た。ただ、ここで調子に乗ったことで、このあと大きな落とし穴にハマることになる。

ある本の作成をする際。5月のコミティア合わせで、本を作ることになった。正直自信があったので、部数は明かさないが強気の発注を行った。コミティアで売れなくてもコミケや他のイベントで売れるだろうという腹づもりであった。

しかし、ここで大きな誤算が生じてしまった。

コミティアでの手応えが想像以上に悪い。委託でもなかなか出ない。そして、迎えたコミケ。コミケ初出しとは思えないくらいの大惨敗を喫してしまった。そしてこのときに気がついた。

コミケでは、前のコミケ以降の別イベントに出された新刊は「コミケでの新刊」という扱いにはならないため、手に取られることが少なくなってしまう

のだ。来ていただく方は「新刊お願いします」という方が非常に多い。「これは5月のコミティアで出した・・」など付け加えるもあまり反応が良くないことも多い。

そして、もう一つ大事だと感じたのが、題材。明らかに旬を過ぎたテーマについて掘り下げたのだが、そういう本はオフセットで大きな部数を刷ったところで興味を持たない層を振り向かせるには至らないのだと実感した。これ以降、ニッチなテーマは部数を絞るようにしている。

結果として、多くの在庫を抱えることになってしまった。調子づいていた頃に冷水を浴びせられたような格好だ。部屋の隅にあるダンボールには、未だに在庫の山が入っている・・このことをきっかけに、題材、イベントと部数について考えるようになったのだが・・それはまたの機会に。

ちなみにその本のタイトルは・・秘密にしておこう。

・・でも時間限定でコッソリとこの下の飛び先に・・